雑にRTAする人のブログ

長文書きたい時用

アークザラッド モンスターゲーム ワールドカップの舞台裏

前置き

当エントリはコアラピュールさん主催のアークザラッド モンスターゲーム ワールドカップに監督(プレイヤー)の一人として参加しどのように準備を進め、チームを編成したかを記した日記兼種明かし的エントリです。
文章として書き残す事で当時何を考えていたかを残す個人用の備忘録とする事、また参加された他のプレイヤーやいつか開催されるかもしれない第2回への参考になればと思い筆を執った次第です。
当企画についてご存じない方や動画を視聴していない方は上記リンクまたは以下の動画を是非ご覧下さい。

簡単な自己紹介

各種RPGなどのRTAをメインに活動しているyagamuuと申します。当企画では6人目のアララトス監督として参加しました。
RTAを行うメインタイトルはもちろんアークザラッドシリーズで、アークザラッド1に関してはエントリ投稿時点での世界最速タイムを達成しています。

今回の企画で取り扱うモンスターゲームについてはソフトは所持していたものの通常プレイの経験がありませんでした。
モンスターゲームをプレイするきっかけとすることも兼ねて今回参加を決意しました。

お詫び

当エントリは当企画の告知後すぐから少しずつ執筆を行っていたのですが、多忙により長時間記事の執筆を行えない期間が生まれてしまい、結果当企画についての記憶が幾分か欠落してしまいました。 その為以下の内容は当時実際に思考していた内容とのズレが生じている可能性があります、予めお詫び申し上げます。

また、当企画が終了して半年以上もの期間が経ってからの公開となり、大変申し訳ありません。

出場国を決めるまでの流れ

モンスターゲーム(以下AMG)のプレイ経験が無かった為まずは主催者コアラさんが投稿されていた以下動画シリーズの視聴をすることで予習を行いました。

その後、上記動画シリーズにて触れられていた各種AMGの仕様についてコアラさんから「ふせったー」にて公開して頂けたので、こちらも合わせてまずはAMGの知識を蓄えてました。

次に各代表国にどのようなモンスター、武器が存在するか把握するために各国のデータをまとめたスプレッドシートの作成を行いました。 実際のスプレッドシートこちらです。

更に実戦データも考察の参考にするため欲しくなったので、各国の想定編成をシミュレートしたゲームデータをエミュレーターの機能を駆使し高速で作成を行いました。

これらのデータを活用しつつ出場国をどこにするか考え始め、出場可能モンスターも武器も豊富なアララトスはまず間違いなく人気になることは容易に想像できたので最初はアララトスは避けるつもりでした。 しかし他国でアララトスと戦う場合、簡易的なシミュレートをした結果フォーレス以外はほぼ勝利が見込めなそうであった上、フォーレスに関しては出場可能モンスターが4種しかいない都合突き詰めると結局他の方と似たような編成になりそうであまり遊びが無さそうと当時は考えていました。

さらに当企画の告知直後からバルバラード監督のよねすけさんと様々な議論を行い、二人の間で「やるからにはやっぱり勝ちたいし、自分達が考える当ルール最強の編成を皆に披露したい」という考えが生まれ、気分一新しアララトスでの参加を決意しました。

出場モンスターを決定するまでの流れ

出場可能モンスター中最速かつ広範囲に石化をもたらす事ができ且つ確定で発動可能なコカトリス、パラメーター・装備・特殊能力全てが高水準のキングヘモジーの2種は真っ先に決まりました。 残りの2種は高パラメータかつ飛行、さらに広範囲ブレスが使えるドラゴン系、ATT48のアックスボマーが装備可能で光属性のグレートナイト辺りが当初の候補でした。 最初は手堅くブラックドラゴンとドラゴンゾンビを採用していましたが、後によねすけさんに回復係として聖なる魔人をオススメしてもらいました。 回復役は初期にデスプリーストを試したもののHP2成長かつ飛行特性なのが災いし、すぐに前線へ飛び出しやられてしまったので不採用としていました。*1しかし聖なる魔人は自分が想定していた以上の活躍を見せます。

まず耐久面についてですがHP3成長かつ高防御、さらにはパワーアームを装備することで防御率が5となり元々持つ回避率1と合わせることで通常攻撃を35.5%の確率で無効化することが出来る鉄壁と化し、 状態異常で行動不能にでもならない限りほぼ落ちることはなくなってしまいます。これはデスプリーストと比較すると雲泥の差です。
さらには敏捷度も19とかなり低いため、安定して後攻回復が可能です。移動力も4と控えめなので前へ出てしまう展開もほとんど発生しません。
MPが105と低いのがネックですが、キュアのLvは2止まりとなっており燃費に優れています。キュアは合計で7回使用することができ20ターン制限のAMGでは十分でしょう。
魔力も他のアララトス回復役と比較すると低めですが、回復量は140と十分高い値です。「仲間を救え」での回復使用条件はHPが半分以下となる事ですが、この量であればHP3成長系のHP半分程度を回復できるので被弾→回復のループも行えます。

以上回復役として全くの隙が見当たらないのですが、追い打ちをかけるように実は攻撃面も強力です。防御率が高い事から反撃ダメージを受けるリスクも大きく軽減することができ(さらに正面方向のダメージ補正は0.75倍と優秀)、 パンチの熟練度も3と高く防御成長2系の相手に等倍ダメージで約50~100(期待値70弱程度)と十分なダメージを与えることができ、相手が行動不能に陥っている間の敵撃破に大きく貢献することができます。 テストプレイを重ねるにつれ、ドラゴン系を超える安定感をもたらすポテンシャルを発揮したことで採用を確定しました。改めてアドバイスして頂いたよねすけさんありがとうございました。

残す1体、誰を採用するかについては主にテストプレイ上でのアララトスの勝利パターンから着想を得ました。 最終的にはアララトス同士がぶつかることになるだろう、と考え主にテストプレイはアララトス同士の対戦を行っていたのですが、基本的に勝利の要因は状態異常がいかに成功するかでした。 このことから状態異常の密度を上げれば勝率が上がるのではないかと考え、他に状態異常役を探した結果まずはスモッグビーストに行き着きました。

スモッグビーストはコンフュージョンが使用可能で作戦を「敵をけちらせ」にすれば範囲内に混乱状態の相手がいなければ確実に使用してくれます。 さらにコンフュージョンはブレスと異なり攻撃範囲内に混乱状態の相手がいなければ通常攻撃を優先してくれる仕様が存在するため、キングヘモジーとタッグで全員を混乱にした後に通常攻撃でHPを効率良く削ることができるという利点が発生します。 その上スモッグビーストは短剣が装備可能な為、混乱状態でも反撃されるという弱点を補うことができ、ゴブレット等の飛び石マップなどでも攻撃が可能になるという大きな利点が存在します。 そして最後に状態異常耐性が混乱耐性なので、大半の方が採用するであろうキングヘモジーへのメタと行えます。ただし汎用タイプと比較すると若干石化の被弾率は増えてしまうのがネックです。

実際にスモッグビーストを採用した結果勝率が劇的に改善したので出場国応募時点での出場モンスターはコカトリス、キングヘモジー、聖なる魔人、スモッグビーストに確定していました。 しかしスモッグビースト、というか混乱には大きな弱点が存在し噛み合わせの悪さを感じていました。 その原因はペトロブレスによって石化した相手は混乱させることが出来ない事です。 先手でコカトリスが石化させ何もできなくなった相手に対して延々と火力の低いコンフュージョンをキングヘモジーとスモッグビーストが連打し無駄にターンを消耗、その後石化から復帰した相手から状態異常を返され敗北、という場面が多く存在したのです。 なんとかできないものか、とぼんやりと思いながら他国との戦闘シミュレートの為にデータを作成している最中、最後のピースを埋める超凶悪モンスターの存在に気付いてしまいました……。

そして最終的に選ばれたモンスターはイービルアイでした。 イービルアイは同系列のスモッグビーストと比較すると移動力が3から4になり、耐性が混乱から石化、そして特殊能力がコンフュージョンからペトロウィンドに変わっています。 なぜこのイービルアイが超凶悪モンスター足り得るのか、それはペトロウィンドもペトロブレス同様AIが確定発動するタイプの特殊能力であった為です。 当企画が発表された当時はペトロウィンドは確率発動タイプとして扱われていましたが、フォーレスのテストプレイ中に確定発動であることに気付いてしまいました。 スモッグビーストからイービルアイに変えた結果、石化した相手に対して通常攻撃を行う頻度が増え石化の特性で確実に攻撃がヒットすることからダメージ効率が大きく改善され、 石化中に相手を撃破する事が多くなり更に勝率が向上しました。 さらに耐性が石化になったことから対戦相手から先手で石化攻撃を受けてしまう戦闘(主にコカトリス)に対する対策も取れてしまう、まさに一石二鳥となるモンスターでした。 移動力も4になったことで他メンバーとの足並みが揃い効率良く攻撃を行う事ができるようになった事も利点です。 スモッグビーストと比較しての欠点はペトロウィンドの消費MPです。コンフュージョンの場合は7回発動が可能でしたがペトロウィンドの場合は5回までしか発動できません。 ただコカトリスと合わせればほぼほぼ相手全員を石化させることが可能な量なので大きな問題とはならないだろうと考えていました。 こうして出場モンスター4種はコカトリス、キングヘモジー、聖なる魔人、そしてイービルアイに決定し本番でもそのまま採用となりました。

敏捷22によりコカトリスの行動から連続で石化が放て、コカトリスメタとなる石化耐性。これはもうジークラフトがこのルールを見抜いていたのでは?と考えたくなるほどに今回のルールに噛み合っており、 こうして出場モンスターを確定した後は「完璧なPTすぎて他のアララトス監督の方も全く同じ編成にするのでは……?」と心配してしまうほどでした。*2 まあ全くもって完璧なPTでは無かったんですけどね(詳細は後述します)

出場モンスターの選出順、装備について

ようやく出場モンスターは決まりましたがまだ考えるべきことがいくつか存在します。それは各モンスターの装備と選出順です。 装備はある程度候補が絞れますが、対する選出順は戦闘を行うマップによって最適解は異なる為特に考えるのが難しかったです。

まずイービルアイの装備は真っ先にショートソードに決まりました。 飛行モンスターがコカトリスしか存在せず、コカトリスは耐久面が薄くすぐ落ちる為他の遠距離攻撃が必要ということから武器種は短剣に決定、眠り攻撃が可能なシャインナイフは光属性なので装備できない……という流れから、 短剣の中で最も高攻撃力なショートソードを採用しました。パンチ系と比較しても最大3しかATTが変わりません。 装備効果は相手のリフレッシュを誘発できれば何でも良かったので自爆ダメージ以外のどれかを採用してくださいと指定しました。実際に投げ低下と受け低下どちらが採用されていたかはわかりません😇

次に聖なる魔人の装備は先述してはいますがパワーアームにしました。他のパンチと比較しても高いATT且つ回復役に求められる耐久力を補う事ができるので採用を決定しました。

残すはコカトリスとキングヘモジーの装備ですが、これは非常に悩みました。 まずコカトリスの装備は敏捷4上昇のハイパーブーツとMP2吸収のスティクスの2種で悩みました。 ハイパーブーツを採用する利点は同じくコカトリスを採用している他アララトス組と当たった際に2P側でも先手が取れる可能性が生まれる事でしたが、ケンプフィレックなどマップによっては後手のほうが有利であることが採用を悩ませる原因となりました。 対するスティクスはハイパーブーツと比較しATTが8上昇し、MP吸収2が装備効果に付いている点がメリットです。 コカトリスは最初の2ターンでペトロブレスLv3を使うとMPが切れて以降通常攻撃しかできなくなりますが、スティクスを装備するとその後2回通常攻撃を行えばペトロブレスLv1を打てるようになり、石化チャンスが1回増えます。

次にキングヘモジーの装備は魔防上昇を付与したブレイド、槍武器のパルチザンの2種で悩みました。 魔防上昇が設定されかつ最大成長を引いたブレイドは特殊能力のダメージを実質半減させます。作戦「敵をけちらせ」に設定した相手を想定すると実質HPが2倍になるようなものです。 キングヘモジーはHP3成長かつ高防御回避適正を持っていることからタンク役としても適切な為、魔防ブレイドで更に特化させる戦略は非常に優秀であると考えていました。 一方のパルチザンはATT23の槍です。イービルアイのショートソード同様遠距離攻撃が可能になり飛び石マップ等の殲滅力上昇、混乱状態の相手へ多少安全に攻撃可能になるメリットが存在します(反撃されないので)。

この2匹の装備を色々試しながら対戦を繰り返しても、やはり勝敗の大半は状態異常の噛み合わせで決まってしまう都合、どれだけ勝率に影響を与えているかが図りきれず自分では判断できませんでした。 多少のテストプレイでは明確な効果を実証できない……となればもう、1つ1つの事象の確率を求めてそこから勝率を計算する、あるいは試行回数を重ねるしかないのですが、前者は自分の知恵では不可能なので後者で解決するしかありません。 しかしエミュの倍速プレイを駆使してもAMGの戦闘は非常に時間がかかります。特に状態異常+回復を駆使する今回の編成が拍車をかけてしまっています。 流石にこれを人力で集計するのはめんどくさい厳しい……ということでここはコンピューターに任せることにしました。

エミュレータの中にはゲーム操作・動作をLuaという言語で書いたプログラムで支援することができる機能が存在します。今回はこの機能を用いて事前に用意した編成同士を対戦させその結果を自動で集計するLuaBotを作成しました。 このBotを用いて全15マップを100戦ずつ、装備のみを変更した編成同士で1P2Pを切り替えつつ戦闘させその集計結果を元に装備を決めました。合計3000戦かかるのでとてもじゃないですが人力では無理ですね……。 統計学的なことを考えると正直各100戦では足りないのですが、PSエミュレータの動作速度はそこまで早くない為100戦するだけでも自身のPCでは1回30分程度かかってしまいます。*3 提出期限まで1ヶ月程度しか無かったこともあり、編成順なども考えないといけないことを考えると時間が足りないのでここは妥協しています。 実際にBotを回した時はマルチコアCPUの強みを活かす為に複数のエミュレーターを同時に起動し並行で集計してました。その時の様子が以下のツイートです。

ついでに作成したソースコードもせっかくなので公開しておきます(自分用に書いたので正直汚いです……)。動作速度との兼ね合いでPSXJin2.0.2向けに作成しました。もっと早く動作するなら無難にBizHawkで動かしたかったのですが……。

AMG 戦闘結果集計Bot · GitHub

というわけで、各装備別の勝率は集計できたのですが……以下の結果を見て皆さんはどちらの装備の方が勝率が高いか判断できますでしょうか……?

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いくつかのマップで明確な差が出てるのはわかるのですが、実際の対戦で選ばれるマップはランダムかつ1P2P側どちらが選ばれるかもランダム、実戦において結局どちらが有利であるかは自分の頭では残念ながら判断できませんでした。 このままではせっかく調べたデータも活用できずに終わってしまいます、どうしましょう。結論としてはこれもプログラムによるゴリ押しで解決することにしました。

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先述のプログラムで集計した各マップの勝率を用意すると、当企画と同じルールに基づいて試合を行い*4自動で勝敗を抽選してくれるプログラムを書き、これを100万回ループさせることで擬似的に実戦の勝率を導き出すことにしました。 これにより例えばスティクスとハイパーブーツでは勝率が49.58%:50.42%という結果が導き出された為、実戦ではハイパーブーツを採用しました。 同様に以上の戦闘シミュレートプログラムと自動勝率集計Botを活用しヘモジーの装備も魔防ブレイドに確定。こちらは魔防ブレイド側が54.43%と明確に差が発生しました。 こちらも作成したソースコードを公開しておきます。適当なNode.js動作環境で動くかと思います。今見るとCSVかなにかで勝率データ流し込めるようにしたほうが良かったですね……。

モンゲWCルール戦闘シミュレーター · GitHub

装備が確定したので次は選出順です。 こちらは戦闘はタンク役も担うキングヘモジーが1番目というのは即座に決まったのですが、残り3名をどこにするかは悩みました。これもマップによって最適解が分かれる為です。 結論としてはグルントルースやゴブレット等のマップで石化組が連携を取れるようにしたり耐久力を考慮した編成となったキングヘモジーコカトリス→聖なる魔人→イービルアイという選出順に確定しましたが、こちらも上記のプログラム2つを活用することである程度信頼できる勝率を求めて導き出しました。 このようにして編成が確定したのは9月26日とギリギリで、残った時間で他国の想定編成との勝率を調査したり後はモンスターの名前をどうするか考えていました。

企画実戦の振り返り

編成を無事に提出し時は経ち、ついに各監督同士の対戦が開始します。 この項では自PTが行った各戦闘の振り返りを1戦ずつ行いたいと思います。

1回戦 第2試合(ミルマーナvsアララトスF)

ミルマーナは強烈なパラライズLv3持ちがおり、展開次第でどのチーム相手でも勝利が狙えるポテンシャルがある国です。 1戦目から敗北する可能性が十分ありえる国が相手で、試合が行われるまでずっとドキドキしていた記憶があります。

1戦目:フリーレン

通路が狭いマップな上にどのルートに移動するかランダム、さらにはジャンプバグの影響もあり移動先が安定しないマップです。 さらには通路に詰まりやすいマップ構造の都合上高Lvブレス持ちは基本的に相性が悪いマップです。 そのためコカトリスのペトロブレスは機能しにくく、実戦でも1体相手に使い切ってしまう上に石化もしないという残念な展開に。 もう1体の石化要員、イービルアイは状況を選んで使用するかを選ぶ分使いやすく、中央に移動し効率的にペトロウィンドを発動してくれたものの、石化運が悪く後ろからの攻撃で撃破されて展開に。 おまけにコカトリスと火力の高いジャッカルがタイマンを貼るというかなり相性の悪い展開になってしまい、全体的にかなり悪い配置になってしまいました。このマップだけ見るのであればもっと良い選出順があったと思います。

結果的にはジャッカルにコカトリスが運良く落とされなかった点、序盤で麻痺が飛んでこない点、キングヘモジーがギリギリの状況で回避する展開を引くことで運良く勝利できました。 全体通して聖なる魔人が良い仕事をしてくれました、この試合のMVPは彼でしょう。 このマップは1対1の展開になりやすく、こちらの編成が守りに寄っている事もあり引き分ける事が多いので、この試合で勝利できたのはかなり大きかったと思います。

2戦目:ルイーネ

1P側が通路に並んでしまいやすいマップ構造上、基本的に2P側が圧倒的に有利なマップです。 アララトス同士でぶつかると1P側の勝利は絶望的なのですが、この編成だと聖なる魔人が最後尾になりキュアで粘ることが可能になります。 この手の状況では回復役がいる方が有利だと考えられます。

今回の試合は相手の先行キャラが異常を打てず綺麗に並んでしまい、一方的な試合になってしまいました。基本的にこのマップはどちらかのワンサイドゲームになるのがネックですね……。

まとめ

異常頻度の差がいかに勝率に影響するか、という点が如実に現れるマッチングであったと思います。 1戦目で図らずともかなりの接戦をすることが出来て、とても見ていて面白い試合でした。2戦ともワンサイドゲームにならなくてよかったです とりあえず、アララトスを選んでおいて1戦目敗退という本当に恥ずかしい展開にはならなくて安心しました……。

3回戦 第1試合(アララトスCvsアララトスF)

2回目の出番にしてやってきた同国対戦。回復役と影系を使用している点が共通していますが、相手はナイト系を採用している分攻撃面で特化しています。 同じアララトス同士の試合である以上、どちらが勝ってもおかしくは無い試合です。編成の差がどう出るかに注目でしたが……。

1戦目:ヘレ

狭めのマップなので、2P側が先に異常を仕掛けやすい分2P側がやや有利なマップです。 異常が決まるタイミングによってユニットの配置が大きく分かれるのも特徴の一つと言えます。 中盤まで聖なる魔人が動けずターンを浪費し、相手の混乱が多く決まり先に魔人が落とされてしまう相当不利な展開でしたが、なんとか戦線復帰したキングヘモジーとイービルアイが状況を一変させてくれました。 状態異常担当の数が差になった試合だったと思います。

2戦目:シュトラーセ

PT同士の距離差が絶妙なマップで、互いの選出順で大きく展開が分かれるマップです。 選出順/行動順が上手く噛み合った結果、相手のコカトリスから全員を石化されてしまう最悪の展開を引いてしまいました。 こうなると攻撃面で有利なアララトスC相手に逆転するのは相当厳しいです。2ターン目で完全に決着となってしまいました。 一応、キングヘモジーを1番目に置いた影響でナイトの攻撃を大きく軽減できている点では狙いが決まっていて良かったかな……という感想です。

3戦目:フェストゥング

飛行系もお構いなしに狭い通路で戦闘せざるを得なくなるマップです。 こちらの戦闘もハイパーブーツによる先制、魔防ブレイドを装備し1番選出にすることで壁にする戦略などは機能したものの、状態異常運、ダメージ乱数運に見放されての敗北でした。 やはり最後に勝敗を分けるのは運である、というのをこれでもかと言うほどに痛感させられる試合でした……。

まとめ

実はアララトスCとの試合は事前にシミュレーションを行っており、想定勝率は9割オーバーでした。

なのでまず勝てるだろう……と高をくくってましたが……こういうこともあるのがAMGです。

そして詳しくは後述しますが今回の編成は実は改善点があり、この結果は恐らく改善点に気付けなかった私への罰であったのでしょう。 ということで以上、本戦の結果は8位でした。一応結果としては上位ではあるのでアララトス国としての面目は守られた……のでしょうか? なお私のPTを撃破し勝ち進んだアララトスCを後にバルバラードが破り、見事3位の座に立ちました。敵を取ってくれてありがとうよねさん

反省

私のPTが出場した試合を見て「この編成は攻撃面に欠けている」という感想を抱いた方もいたかと思います。今回のPTはまさにここが大きな弱点でした。 せっかく異常を決めてもキングヘモジーがコンフュージョンを連打してしまう都合ダメージ効率に欠け、相手に異常から復帰され逆転されてしまうという展開が多く発生してしまうのです。 イービルアイを採用したことで多少補えたものの、結局イービルアイが全員を石化させない限りはダメージ効率は低いままで完全に解決とはならなかったのです。 以上のような弱点を抱えつつも編成を提出した時は「間違いなくこれが最強の編成!!」と自信を持っていたのですが、他アララトス監督方の編成を参考に考え直した所、より勝率が高くなると予想される編成を発見してしまいました。

ダメージ効率が悪く、異常を付与した敵を撃破しそこねる弱点を埋めるピース、それは準優勝を成し遂げた超攻撃型のアララトスDのPTに答えがありました。 動画をご覧になった方ならもう答えはおわかりでしょう。そうです、アースクエイクの使い手「デスドルイド」です。

デスドルイドの魔力は53.4と非常に高く、今回のルールの対象になるモンスターの内9割に対し大ダメージを与える事ができます。*5 そのダメージはおよそ100~130で、期待値は115前後です。魔法型特殊能力なので石化によるダメージ軽減の対象にもなりません。 このダメージ量はHP2成長のモンスターであればわずか2発で確実に範囲内の敵を殲滅することが可能であり、HP3成長のモンスターであっても他の異常付与手段によるダメージと合わせることで2~3ターンで処理できてしまいます。 つまり、異常付与さえ決まれば異常付与中の撃破が確約されてしまいます。 更に「敵をけちらせ」を選択することで確実にアースクエイクしか使わない上に、アースクエイクは選択範囲が広範囲なので敵軍の中に突っ込むこともなく後ろから安全に攻撃をすることが可能です。 そして止めにMP成長も高く13+1(Lv1)発ものアースクエイクを発動することが可能という完成されたアタッカーです。唯一の弱点はデスプリースト同様耐久力でしょう。

そして、企画本戦中に気になって提出編成から聖なる魔人をデスドルイドに変更した編成と提出編成の戦闘シミュレーションをした所、デスドルイド採用PTの勝率は65%と大きく勝率を改善することができました。 デスドルイドとの交換先を聖なる魔人にした理由は、キュアで粘っても相手に異常持ちが残っていれば時間稼ぎにしかならず異常を被弾すると逆転されてしまう点、安定の為に異常担当を減らす事は考えられなかった為です。

実はデスドルイドを採用するという案自体は、最初期によねすけさんから提案だけはされていたのですがお互い途中から忘れてしまい、一度も試さずに時が過ぎてしまったのです(データも用意したのに……)。 高魔力広範囲術が今企画に置いて強力であることはクレニアニーデルの編成データを作っている時などに気付いてはいたのに、自軍に加えるという発想に至らなかったのは完全に途中で安心し思考停止してしまったのが原因です。 試合に勝てなかったのはともかくとして、「最強の編成を作る」という目的を果たせなかった事が今回の企画通して特に悔しかったです。

まとめ

以上、なかなかの長文となってしまいましたがいかがだったでしょうか。 「RTAプレイヤー2人が考える最強の編成をぶつける!」という意気込みだったのに達成出来なかった点、結果も自信とは裏腹に微妙な位置と悔しい点が多々あるので、リベンジする機会があれば是非挑戦したいと思います。 ただ、間違いなく全監督中最も時間をかけて編成を構築した自信はあるので、その点だけは誇っても良いのかもしれません。 そして悔いが残る結果ではあったものの、企画そのものは大変楽しませて頂きました。以前からRTAで交流のあったよねすけさんと久々にアーク2についてたくさんお話する機会が生まれ、参加者の方々と交流を進めるきっかけにもなりました。この偉大な企画に参加できた事が本当に幸せです。

最後にここまで読んで頂いた皆様と、当企画を主催して下さったコアラさんや参加して下さった他監督様の方々へ、本当にありがとうございました。 また重ね重ねとなりますが、当記事の公開が非常に遅れてしまい申し訳ありませんでした。第2回がもしあればまたお会いしましょう。

おまけ(モンスターの名前について)

編成提出締め切り後にTwitterで触れてはいたのですが、改めてこちらでも触れておきます。 各モンスター全て元ネタが存在しますが、動画中で何度か拾って頂いてとても嬉しかったです。

PIEN-ぴえん-(キングヘモジー)

動画コメントでも触れていた方がいましたが、ただすめん氏制作の同名ホラーゲームが元ネタです。

kusoi.site

最近続編がリリースされてましたね。

kusoi.site

キングヘモジーのカラーリングと物悲しそうな表情から着想を得てこの名前にしました。 その類まれなる高スペック能力を武器に対戦相手側をぴえん🥺させて欲しい、という思いも込めています。

ジェット(コカトリス)

先日30周年を迎えたソニック・ザ・ヘッジホッグ、こちらのゲームシリーズの一つ「ソニックライダーズ」シリーズに登場するバビロン盗賊団団長、ジェット様が元ネタです。

sonic.sega.jp

本来コカトリスは鶏の頭と竜の翼、蛇の尾を持つ幻獣らしいのですが、この造形に似合うキャラが全く思いつかなかったので素直に鳥モチーフのキャラから好きなキャラをピックしました。 「伝説の風使い」の異名をもち、嫌いなものは「自分よりも速いヤツ」。ハイパーブーツを装備し全モンスター中最速となった彼にはぴったりのネーミングではないでしょうか。

フィンダーおじさん(聖なる魔人)

同名のVtuberが元ネタです。最近バ美肉した姿を得て話題になってました。

finderojisan.info

www.youtube.com

元々はよねすけさんが作戦会議中に聖なる魔人を「キュアおじ」と呼んでおり、おじさんキャラの名前を付けようと考えた結果即座に思いついたのがフィンおじでした。 映像制作が終わらず「許してくれ……」といつも言っている彼ですが、今回ばかりは高耐久な肉体からキュアを連発し、対戦相手側が「許してくれ……」と言いたくなるでしょう。 フィンおじがこんな凶悪スペック持ってるのは解釈違い!って思う方もいるかと思うのですが、ムキムキ姿でFall Guyとやり合ったりあのSCP-173相手に即死しないので問題ないでしょう(???)

www.youtube.com

www.youtube.com

47(イービルアイ)

ニコニコ動画では「暗殺以外なんでもできる男」と呼ばれるスニーキングアクションHITMANの主人公、47が元ネタです。

dic.nicovideo.jp

影をイメージしたモンスターで短剣を操る姿が暗殺者の彷彿とさせる、髪が無いのが共通している点から着想を得て名付けました。 動画では何度か止めを刺すシーンもありそこも含め暗殺者らしい立ち回りが出来たかなと思います。

*1:本戦のデスプリーストもそういった動きをしていた場面が散見されたと思います

*2:ちょうど当時なる楽で投稿された動画の区間がパレンシアタワーだったのもあり、防衛戦の魔人がヒントになるのでは……?と自意識過剰になってたりしました

*3:使用しているCPUはRyzen7 3700Xなので低スペックではないはずです

*4:1P2Pをランダム抽選後交互に切り替え、一度戦闘したマップ以外で戦闘を繰り返す、といったルールに基づいて戦闘をシミュレートします

*5:魔法系特殊能力のダメージは魔力の差でダメージ倍率が決まり、魔力20以上の差が付くと1.5倍のダメージになる