ぼくが使っている配信環境と今後使用する予定の配信環境まとめ in 2022前期
前置き
以前、こんな記事を書いてからちょうど1年程度経ちました。 あれから配信環境のアップデートを行ったので改めて紹介をしたいと思い記事を書いてます。 なお、タイトルを「2022前期」としているのは2022年秋くらいに再びアップデートがかかる可能性が高いためです。詳細は後述。
私が使用する配信環境の前提条件
前回の記事でも書いたものですが、自分が求めている配信環境の条件を羅列します。 つまり、自分が構築する環境は基本的に以下の条件を満たしたものとなっています。
- 可能な限り低遅延を目指す
快適なゲームプレイ、特に反応速度などが重要となるRTAをする場合はやはり可能な限り低遅延の環境が望ましいです。 ただし、自分は1~2/60フレーム程度の遅延であれば気にならないので、1桁ms程度の遅延は気にしない物とします。 - 自分の技術が追いつく範囲で可能な限り高画質を目指す
良質なケーブルや機材を使うことで可能な限り高画質を目指すとかそういう感じです。 前回は設定面はあまり力を入れない、としていましたが、色々調べている内に最低限の知識くらいは付いた気がするのである程度は許容するものとします。 - 使用するモニターは液晶モニターに限定する
部屋スペースの都合や重量などの取り回しにくさ、入手性や動作寿命の問題などからブラウン管モニターの使用は回避します。 - 可能な限り映像信号受付時間を短くする
私がRTAを行っている作品の中には電源投入直後から計測を開始する作品がいくつか存在します(アークザラッドシリーズ、DQシリーズなど)。 映像の信号受付が遅い機器を使用してしまうと電源投入から数秒の間映像がキャプチャできない問題が発生してしまい、RTA動画のアーカイブを残す点で致命的な問題に繋がります。 また、上記のような機器を使うとゲーム中に出力解像度が切り替わるゲーム*1をプレイしている際に度々映像が途切れてしまいます。
私が現在使用している配信環境
前回同様まずは配線図を載せ、その後全体の概要と使用している機材の紹介をします。 配線図の作成も前回同様diagrams.netを用いています。
基本的に前回記載した、RetroTINK-5Xを導入する「私が今後使用する予定の配信環境」の配線図がベースとなっていますが、変更点がいくつかあります。 大きな変更点としては以下の2点です。
上記の詳細については以下新規導入した機材の紹介で説明します。
HD Retrovision製コンポーネントケーブル
前回も紹介した高品質コンポーネントケーブルです。前回はSFC用ケーブルは未購入と書いてましたが結局購入しました。 また、後述するコンポーネントスイッチャーとRetroTINK-5Xを接続する際のコンポーネントケーブルにもMale to MaleのHD Retrovision製ケーブルを採用しています。 ちなみにFC/SFCは1本のケーブルを使いまわしています。その内もう一本買うかも?
gcomp(コンポーネントセレクター)
gcomp Automatic 8:2 Component / Composite switchcastlemaniagames.com
8入力2出力できるコンポーネントケーブルのセレクターです。前回セレクターは導入しないと言っていたな、あれは嘘だ
映像出力をしているケーブルの映像に自動で切り替えを行う機能が搭載されており、2出力可能なのでモニターに接続しつつアプコンに接続することも可能です。
とても良質でおすすめできる製品なのですが、入手性の悪さが大きなネックです。注文を行ったのが2021年7月でしたが届いたのは2022年の3月でした……
次の入荷も未定なので、こういったセレクターが欲しい方は後述するInfinity Switchを推奨します。*2
おまけ:Bauhutte ゲーム機収納ラックBHS-380G
前回セレクターはスペースの都合で導入しないと言っていたのに何故導入したのか、それはこちらの収納ラックを購入したからです。スペースは無理やり確保しました
去年にRTAプレイヤー間でこの収納ラックが流行していたのと、前々から気になっていた製品だったので購入した流れです。
収納能力も高く、実際gcompと合わせて導入した結果コンシューマー機の扱いが非常に楽になり満足していますが、1台だと全てのゲーム機を収納できないのでその内もう一台購入しようと思います。
上に積み上げる形で拡張できるので物理的スペースの確保も問題ありません。
RetroTINK-5X(アップスキャンコンバーター)
前回も紹介した昨年5月頭に発売された低遅延アップスキャンコンバーターです。 発売直後は大人気すぎて即売り切れになっていましたが、現在では落ち着いておりいつでも注文可能です。 詳細は前回の記事、あるいは各レビュー記事などを見てもらえればと思いますが、期待通りの性能を発揮しており値段は張りますがその分満足度はとても高い製品です。 中でもトリプルバッファモードは期待していた通り解像度切替/映像受付速度が最高の物で、遅延も自分は全く気にならない範囲だった為この機能だけでも買って良かったと感じています。
更にファームウェアの更新が当時から大きく行われ、軽く挙げるだけでも以下の大きな機能追加/改善が行われています。
- メニューの操作性大幅向上
- クロップ、サイズ調整、同期調整機能実装
- 各プロファイルへの保存/読み込み、起動時の読み込みプロファイル設定
- 2560*1440出力、4k24p出力対応*3
- 映像補正などの機能をオミットする代わりに最小ラグにするモード(Min-Lagモード)
特にMin-Lagモードは、OSSCやRetroTINK-2X等の超低遅延アプコン並の低遅延出力を実現している上に1080p出力な為環境依存が少なく、極限まで低遅延を目指す方にもお勧めできるようになりました。 この機能が実装されたことで自分は今後RAD2Xは使わないでRetroTINK-5X一本で運用することにしました。
EZCOO EZ-MX42HS(HDMIセレクター)
Twitterを眺めていたらあるユーザーがお勧めしていた製品で、曰くゼロラグな4K60Hzのセレクター/分配器であると動画サイトの某レビュアーに紹介されていた製品らしいです。 実際遅延を計測した所ゼロラグであることを自分でも確認でき、動作も安定している為購入してとても満足しています。 日本Amazonで売られている他HDMIセレクターと比較すると値段は張りますが、安いセレクターは動作が不安定であることも多いので迷ったらこれを買えばいいと思います。
また、今までモニターへの映像出力にキャプボのパススルーを使用していましたが、HDMIセレクターを導入したことで直接セレクターから映像を入力できるようになりました。 キャプボのパススルーが悪いというわけでは無いのですが、物によっては色が変わったり遅延が追加される物もあるので、セレクターからの映像入力を採用したほうが確実でしょう。
HDMI音声分離器
音声分離器自体は前回の記事から使ってましたが、該当記事でも触れていた通りかなり動作が不安定で、最終的に音声が全く出力されなくなってしまったので新しい製品を買いました。 結果として2つ良い製品を見つけたので以下貼り付けます。
自分が実際に使用しているのは前者の製品で、こちらはレトロゲー界隈の大手レビュアーであるRetroRGBがお勧めしていた製品です。 前回の経験から音声分離器はピンキリである、という認識をしたのでこちらと合わせて採用しているHDMIセレクターと同社の音声分離器も購入しました。 性能的にはどちらもゼロラグであること、HDMI出力される映像に音声がそのまま出力される事を確認しているので、どちらを使っても良いと思います。*4
AverMedia AM330(ダイナミックマイク)
以前はBPHS1というヘッドセットを使っていたのですが、こちらが脱線を起こしてしまいマイクが使えなくなってしまったので、当時発売されたばかりのこのマイクを購入しました。 性能的には音量が小さめである事以外は特に音質等不満は無く、全体的に満足しています。 専用のポップガード等関連機材も揃って販売されているので、何も考えずに機材一式揃えたい、という方にもお勧めできるかと思います。
Sony WH-1000XM2(ノイズキャンセリングヘッドホン)
ヘッドセットが壊れたので、以前知り合いから訳あって譲り受けていたこちらのヘッドホンを現在は使用して音を聞いています。 音質はとても良好で、ノイズキャンセリング等機能も豊富でBluetooth接続対応なので外出する際にも使えてとても満足しています。 また、以前のヘッドセットではかなり耳を圧迫し付けてて痛かったのですが、このヘッドホンではそれが無いのが偶然ではありますが大きな改善点でもありました。 唯一の欠点としては、有線接続をしていても事前に充電し電源を入れないと音質/音量が低下する点で、都度都度充電をしないといけないのが不便ではあります。 この製品は先日後継機が発表されたばかりなので、興味ある人はそちらの販売を待っても良いかもしれません。(というか今使ってるのは3つ前のモデル……)
まだ持ってない、リリースが予定されている気になる機材たち
ここからはおまけとして今はまだ持ってないけど気になっている機材、または今後リリースが予定されている機材たちを紹介していきます。
PixelFX Morph(アップスキャンコンバーター)
https://docs.pixelfx.co/2021_review.html
2022年夏リリース予定のアップスキャンコンバーターです。 PixelFX社は過去にN64Digitalなどのコンシューマー機のHDMI出力化改造キットをリリースしている企業で、これらHDMI出力化キットの性能がとても評価されています。 そんなPixelFX社がリリースするこちらのアプコンはまだ詳細な仕様は公開されていませんが、公開されている内容として特に目を惹く内容が、同時発売予定のInfinity Switchというセレクターを併用することでゲーム機別のプロファイルに自動切替が行えるという機能です。 ゲーム機を切り替えたらプロファイルも変更して~という手間が大きく解消されます。 他にも1920*1440での出力、RGB4:4:4出力、解像度切替に強いモード、自動フェーズ調整機能、Motion Adaptiveデインターレース、スキャンラインなど他のアプコン類の機能を網羅+それ以上の機能を予定しているようで非常に楽しみな製品です。 2022年秋くらいに再びアップデートがかかる可能性が高い、としたのはこのMorphとInfinity Switchを導入する可能性が高いためです。
PixelFX Infinity Switch(汎用セレクター)
ここまでに何度か記事に登場した製品ですが、このセレクターの大きな特徴はMorphとの連携だけではなくユーザーがお好みで入力端子をカスタマイズできる点です。
つまり、今回採用したgcompのようなコンポーネントセレクターを作ることも、SCART RGBやS端子、HDMI入力もできるフルスタックなセレクターを作ることも可能です。
最大接続数はなんと256だそうです。誰がそんなに接続するんだ
以下のページでイメージ図を作れるので気になった方は試してみてください。
キャプチャボード
現在はAverMedia社のGC573という4K対応キャプボを使用していますが、映像受付時間が遅い事が個人的にネックに感じているので*5可能であればここもアップデートしたいです。 個人的に気になっている製品が以下の2つです。
まずこちらのキャプボは4K対応、144Hz対応、RGB4:4:4対応と最強クラスの性能を持っており、更に使ってる方曰く映像受付時間も最小クラスらしいです。 他にもOSSCの特殊な出力解像度にも問題なく対応しているなど、完璧に近い性能を持っているのですが、当然お値段は張り、こちらなんと10万円オーバーです。 流石に簡単には手を出せない製品……ということで今は見送っているのですが、そんな中突然マイコンソフトから発表があったのが下記のキャプボ。
こちらはRGB4:4:4対応、という事しかまだ発表されていませんが、おそらく前モデルであるSC512同様映像受付時間は短く、OSSCの特殊出力解像度にも対応していると思われるので、とても期待している製品です。 SC512は自分の環境で使うとブルスクになってしまうので泣く泣く押入れの奥に封印されたのですが*6多分この点も解消されている……はず。
RME Babyface Pro FS(オーディオインターフェース)
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/269938/
ロマン枠
人気絶大の超高音質オーディオインターフェースです。お値段はこちらも10万円オーバー。
音質もそうですが個人的にはTotalMixという専用アプリを併用することで各アプリケーションの音声入力/出力先を細かく設定できる点に強く惹かれています。
懐がめちゃくちゃ温まったら買うかもしれない
まとめ
今回も想定以上の長文となってしまいましたがいかがだったでしょうか。 以前よりもシンプル且つ快適な環境を構築できて満足していますが、どんどん高コスト化が進んでいる気がしますね(今更) 後半で紹介した機材も購入を予定しているのでどんどん財布が寂しくなっていきますね😇これが環境構築沼……
以上これにて本記事は締めとさせて頂きます。読んで頂いた皆様ありがとうございました。