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RetroTINKー5X Pro環境下におけるプレイステーション2のコンポーネント/RGB接続の画質検証

前置き

以前投稿した記事にて紹介したアップスキャンコンバーターのRetroTINK-5X Proが届き、更にゲーム機用の各種ケーブルも届いたので、以前から気になっていたコンポーネントとRGB接続(SCARTケーブル)の画質検証を当エントリで行います。 結論から先に述べると、正直スクリーンショットを拡大して凝視しないとほぼわからない程度の差しか無い上に、どちらも十分に鮮明な映像なので普段は使い勝手の良いコンポーネントケーブルの方を使用する予定です。

検証するゲームソフト、RetroTINK-5X Proの設定について

1. 検証ゲームソフト

筆者がPS2実機を使用しメインでプレイしているアークザラッド(PS1)にて検証を行います。分かる人向けに補足すると240p解像度固定のゲームです。

2.RetroTINK-5X Proの設定

使用したバージョンはエントリ投稿時点での最新バージョンである1.84です。

設定項目 内容 備考
Output Res.
(出力解像度)
1080p(Fill)
H.Sampling
(水平サンプリング)
Generic 4:3 本ゲームは水平解像度が320pxのゲームですが、PS2(特に薄型モデル)で動作させる場合最適化オプションが正常に動作しない為こちらのモードに設定してます
Interpolation
(補間)
Sharp 2Dゲーなのでこちら
Scanline Off
Pre-emph. Filter 0 デフォルト設定、正の値にするとシャープ度が上がり負の値にするとぼやけます
Vertical Sync Triple Buffer 今回の検証に特に影響なし
Colorspace
(色空間)
RGB Full
Video LPF
(ローパスフィルター)
Off/Light 両方の設定で検証します

使用したケーブルについて

1. HD Retrovision PS2 PS3 Premium YPbPr Component Video Cable

www.hdretrovision.com

以前も紹介した高品質コンポーネントケーブルで、RetroTINK-5X Pro公式が使用を推奨しているケーブルです。

2. Retro Access製PS1/PS2対応SCARTケーブル(Sync on Luma)

Sony Playstation RGB SCART lead Sync on Luma PS1 PS2 GROUNDED cable cord leadretro-access.com

海外のレトロゲー用ケーブルショップ「Retro Access」で購入した、フルシールドされた同軸アナログSCARTケーブルです。「Sync on Luma」という同期信号を採用したケーブルで、コンポジット映像(cvbs)の同期信号を採用しかつシールドが不十分なケーブルと比較すると「チェッカーボードパターン」と呼ばれる市松模様の縞が出なくなるメリットがあります。

RetroTINK-5X Proで正常動作するSCARTケーブルを入手したい日本在住の方は、基本的には入手性を考慮すると穴場開発事業団さんからSCARTケーブルを注文するのが無難かと思います。*1

検証結果

縮小された状態だと全く違いがわからないと思うので、右クリックから画像を直接開いて比較してください。

1. タイトル画面

コンポーネント

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コンポーネント+LPF Off

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コンポーネント+LPF Light

RGB

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RGB+LPF Off

f:id:yagamuu:20211003110854p:plain
RGB+LPF Light

2. ロード画面

コンポーネント

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コンポーネント+LPF Off

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コンポーネント+LPF light

RGB

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RGB+LPF Off

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RGB+LPF Light

よく見るとコンポーネント側のLPF Offは背景に縦縞が発生している。LPF Lightにすると縦縞は見えなくなる模様。

3. イベントシーン

コンポーネント

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コンポーネント+LPF Off

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コンポーネント+LPF light

RGB

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RGB+LPF Off

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RGB+LPF Light

こちらも背景をよく見るとコンポーネント側のLPF Offは縦縞が発生しており、こちらもLPF Lightにすると縦縞は見えなくなる模様。

まとめ

全体的にHD Retrovisionのコンポーネントケーブル側の方が輝度が高いように見え、筆者の体感的に自然に見えるのはSCARTケーブル側であった。 特に現状のRetroTINK-5X ProではHD Retrovisionのケーブルを接続した場合、LPFをLightにしないと縦縞が発生する都合わずかにシャープさが失われるため、どうしても気になる方はSCARTケーブルを採用した方が幸せになれるかもしれません。 なお縦縞が発生する件は既報が存在しており、旧バージョンのRetroTINK-5X Proでは発生しなかったらしいので、今後アップデートなどで状況が変わる可能性はあります。

とは言え意識しないとわからない程度にどの映像も鮮明な映像であり、今後コンポーネントケーブルのスイッチャーを導入する予定もあるのでHD Retrovisionのケーブルを使用していく予定です。

*1:穴場開発事業団さんのケーブルは同期信号がcvbsのようです、RetroTINK-5X Proに入力する同期信号はcvbsあるいはSync on Lumaを公式が推奨しています。